春の陽光が降り注ぎ日ごとに暖かくなって来る昨今です。 いつもサポセン便りをご愛読いただきまして有り難う御座います。
今回は、サポートセンターを中心として保護司会全体のスキルアップを計り、会員の皆様方からのご意見や現場ての声を反映した記事を掲載致しました。(大石)

とっても悲しい一言

私が受け持った保護観察の体験からお話します。 何か参考になることがあればありがた いと思います。
少年院に出向いて面会し、 対象者と色々話しましたが、 犯したことを「反省している」と感じられませんでした。 「お母さん、あなたのこと心配していたよ。今回のことできちんと謝った?」と聞くと「なんで謝る必要があるんですか? 母親と事件は 関係ないし」ときっぱり。
「もし仮出所出来るようであれば、 多分私が保護観察するようになると思う。 少しずつ面接を重ねて、いつかは素直に親に謝れるようになれればいいね。」と呼び かけたが、反応はほとんどありませんでした。 その様な心情のままで更生できるのだろうか? と不安になったことを覚えています。
その後仮出所し保護観察中となり、月2回の面接を続けていました。 毎回私はその日の面接で確認する遵守事項をはじめ聞くこと、確認すること、 対象者の要望、 次回の日程など箇条書きにして、プリントしお互いに持ち帰ることにしています。
その中でこの対象者には「事件の反省」 という項目を設けていました。 しかし対象者から 「ここに書いてある事件の反省? ちゃんと弁償したしあやまったし、刑期も終えたんだから、 何を反省する必要があるんですか? おかしくないですか? 毎回毎回反省って!」と怒り口調でうったえてきました。
保護司として多くの方と向き合ってきましたが、 その一言は本当に悲しく、 忘れることは出来ないでしょう。
その後は面接もおろそかになり連絡もとだえることが多くなり、 主任官とも対応を相談していましたが、心配していたことが現実となり、ついに再犯し留置されてしまいました。

面接の時、対象者によく話したことは、「したほうは忘れるが、された方は傷が癒えても忘れることはない。 たとえあなたの刑期が満了して、一般社会に出れたとしても、あなたの犯した 罪を忘れることなく心に傷をもったまま生きている方がいることを、 決して忘れてはいけない」また「一人では生きていけない。いつでもあなたを心配してくれている家族がいる。お互い支え合うのが家族だ」など。 何遍も諭しましたが、残念ながら理解出来なかったのでしょう。私の力のなさを痛感しました。
詳しくは述べられませんが、対象者の幼少期からの家庭環境はとても複雑で、そこに影響されたことも要因と思えます。きっと家庭のあたたかさを知らないし、他の人の身になって考えることの大切さも知ることがなかったのでしょう。

近年「無縁社会」 という言葉が聞かれるようになりました。単身世帯 (特に独居老人)が増え、家族の絆や人間関係が希薄となりつつある日本社会の一面を表す言葉だそうです。
報道などでは地方で「孤独死」も増加しているようですね。
警察などでは、弔う親族の該当者もなく無縁墓に埋葬したり、遠い親戚に連絡しても、普段からまったく付き合いがなく、弔う方法や埋葬などについて戸惑われたり、遺骨の受け渡しを拒否する方もいるそうです。

人間とは人と人との繋がりであり、その『間』が開きすぎてもだめだろうし、近寄りすぎでもだめで、ちょうど良く『間』を保って繋がっているから、人の間と書いて人間というのではと思います。夫婦、親子、家族など身近な関係をはじめ学校・会社・地域などあらゆる場で人間社会が形成され、互いに尊敬し合い助け合ってからこその繋がりでしょう。
その基本的なことが希薄 になっていると実感した体験でした。
私も己を見つめると、勝手な見方や思い込みで相手を見てしまい、言動してしまいがちです。そこを改め、人と人との繋がりのご縁として、相手の気持ちを慮って優しい笑顔でやわらかな声をかけるようにして行きたいと感じたご縁でした。
根室から来ました

野幌分区 谷口 千佳子
私は平成11年10月に保護司を拝命しました。
仲の良い友人が「私もやっているので大丈夫だよ」と。保護司の何たるかも良く知らずに、友人の言葉を信じて引き受けました。
そして新任研修に参加、「えらいものを引き受けてしまった」というのが正直な気持ちでした。でも、一度引き受けた以上は逃げるわけにもいきません。
覚悟して定例会や自主研修に参加しました。諸先輩に助言をいただきながら対象者との面談、報告書の記入の仕方を教えていただき、何とか続けてきました。
平成26年3月で仕事を辞め、40年過ごした根室を離れることになりました。それまで民生委員児童委員、家事・民事調停委員、学校評議員、補導委員など、ボランティアのつもりで活動してきましたが、転居に伴いそれらも全部卒業になりますので、内心ほっとしていました。
しかし、保護司会の会長にそれを告げたところ、「空きがあれば向こうでも活動できるよ」と。今まで忙しい生活をしていたので、正直ゆっくりできると思っていました。数日後、「向こうが定数を満たしてないので異動出来るよ」との会長の言葉でした。
この様な経過で江別地区保護司会に移ってきました。転居してきて落ち着いた頃、事務局に伺いました。家から近いので「何かあればお手伝いします」と社交辞令のつもりで挨拶してきました。定例会や特別研修、分区研修など積極的に参加させていただきましたので、皆さんの顔と名前が分かってきました。
次の年「事務局を手伝ってほしい」と事務局長から依頼がありました。根室でも団体の事務局を担当してきたこともあり、五十嵐事務局長の元で勉強させてもらえるならとお引き受けしました。
しかし、蓋を開けてみると事務局長は五十嵐さんではなく、背が高く強面の河治さんでした。「この方と一緒に事務局をやっていけるのか」とネガティブな気持ちになりましたが、今更辞めることもできず、覚悟を決めました。一緒に事務局を担うと、強引な所がありましたが、心配したほどではなく根はやさしい方でした。

水曜日と木曜日の午前中、福祉センターに通いました。水曜日は届いた事務書類の整理で終わり、木曜日に各事業の計画・立案・調整をするのですが、3時間では到底足りず、別の日に事務所に行ったり家に持って帰らないと間に合いませんでした。

事務局に携わる前までは断片的に知り得たことが、線や面となり「こういうことだったのか」と分かることが沢山ありました。
一番困ったことは「江別の街を知らない」事でした。何番通りとか、何丁目通りとか、その場所がどこにあるか等は地図を見てやっと判りました。
事務局長としての活動は、コロナウイルスの感染拡大により事業や研修が出来ず、それがとても残念でした。平成27年5月から事務局と会計で約3年、平成30年から事務局長として4年、計7年携わりました。
今後はデジタル化がどんどん進むようなので、ついていけるだろうかと不安ですが、残りの数年は若い方々に教えてもらいながら頑張ろうと思っています。 会員の皆さんには事業への参加や研修会の出席等ご協力をいただきまして、ありがとうございました。
これからは一会員として、各種事業等参加協力していきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

新任保護司紹介!浦島さんが新しく仲間になりました。

大麻分区 浦島 勝美
今年が皆様に取ってご家族が心身共に健康で希望に満ちた光り輝く心安らぐ穏やかな日々で有りますことを願っています。
私は昨年12月1日に法務大臣から保護司として委嘱を受けた浦島勝美65歳です。宜しくお願い致します。皆様方保護司が如何に大変なお仕事か重々承知しています。
趣味である短歌の事について話す前に若干私の経歴につき話します。私は幼い頃から夢であった警察官に高校卒業後に拝命し、警察官として41年間勤めて来ました。
振り出しの交番勤務、警ら隊、機動隊、千葉県警察出向(成田空港警備隊)と勤務し警察官人生の半分以上は刑事警察として31年間勤務して来ました。好きな刑事を31年間と長きに亘り勤務できたのも常に影ながら支えてくれた妻や娘夫婦に感謝しか有りません。
私は、趣味として短歌を詠んでおり何句か披露致します。短歌を始めた経緯に付き若干話します。私が30歳の時で、札幌中央警察署暴力団対策課刑事として勤務していた時です、今は亡き上司から、浦さんと言われ、その都度渡されたメモ紙でした。メモには、短い文章の五七五七七の短歌でした。31文字という短い文書に人の心を打つ短歌に感動し、以後短歌を始め詠んでいます。
上司から渡されたメモ紙に記された短歌の前文に今も私の心に生きており人として「こう有りたい」と思っている文章……
◎大地の中に流れる水のように太陽の下で名を誇って生きるのはさほど難しくない難しいのは乾いた心を潤す事である。
◎光あるものにだけではなく光有る時に生まれる影にこそいかに輝きを与えて行けるかである。
★何時の日も青雲の如く心に曇りなく心ぶれる事なく我が正道を歩むべし。
★常に人に支えられ人に生かされている事に感謝して真を尽くし人を生かすべし。
……と記載メモに言葉にならない位感動した、あの日の事が今も脳裏に焼き付いています。一度しかない人生です、人として、これに少しでも近づき残りの人生全うしたいと思っています。
最後に、私が読んだ句を披露いたします。
カスミ草 白き小さな蕾にも
影となりけり たの花生かす人の道 時には曲がる時もある
正して歩むこれぞ人なり故郷の老いたる母を思うとき
悔やみきれない犯した罪を
最後になりますが、手探りではなく真っ向勝負で対象者が心から犯した罪を反省し二度と犯罪を犯さない様指導し正しい道を歩んでいけるよう微力ではありますが頑張っていきますので宜しくお願いします。

