サポセン便り【令和4年10月 第23号】

サポセン便り

身の回りの豊かさに意識を向けること

札幌保護観察所長 吉原克紀様

江別地区保護司会の皆様方には、平素から地域の更生保護活動に御尽力をいただいておりますことに、厚く御礼申し上げます。
さて、終わりの見えないコロナ禍のもと、何かと制約の多い毎日が続いています。皆様方が地域で活動される上でも、いろいろと難しい課題が生じているのではないかと思います。このようなときは、どうしても意識がネガティブな方へと向きがちですので、努めて意識をポジティブな方へと向けていく必要性を感じています。
人間の特性として、自分が意識の焦点を当てたことしか人は認識できません。例えば、私は、普段、保護観察所の所長室で仕事をしていますが、仕事が忙しく、意識が仕事に集中しているときは、私には周囲の雑音が全く耳に聞こえなくなります。その一方で、仕事が一段落し、周囲の気配に意識を向けると、隣の執務室から職員の笑い声や会話をする声が聞こえてきます。このように、人は自ら意識の焦点を当てたことしか認識できませんので、意識の焦点から外れたことは、その人にとって、全く存在しないことになってしまうのです。
コロナ禍やロシアの紛争など、マスコミ等で報じられる情報にばかり意識の焦点を当てていると、どうしても不安な気持ちがかき立てられてしまいます。そうすると世の中の先行きが、どうしようもない不安で覆われているように感じてしまいがちです。しかし、その一方で、世界はあふれるような豊かさに満ちています。心身の健康を保ち、毎日を幸福感とともに過ごすためには、そのことを忘れないで、努めて身の回りの豊かさに意識を向けてほしいと思っています。
私は、保護観察所から近い場所にアパートを借りていて、まっすぐ出勤すると味気ないので、わざわざ緑の多い道を選んで遠回りをして出勤しています。今朝もいつもの道を歩いて出勤してきました。見上げると気持ちのよい青空が広がり、心地よい風が頬をなでてくれます。道ばたには、きれいな立葵が咲いていて、その傍らで、雀が楽しそうにあちこち飛び跳ねています。いつも立ち寄る公園の、木々の一本一本に、いつものように「おはよう」とあいさつをすると、木々たちも「おはよう」とあいさつを返してくれるようです。そして、私をとりまく世界の一つ一つが、私という存在を支え、私を応援してくれているように感じます。
私は、今日も幸せな気分で出勤し、感謝の気持ちとともに、所長室でこの原稿を書いています。

社会を明るくする運動作文コンテンスト入賞作文集に教えられたこと

江別分区 三上隆志

70に手が届こうという歳になって足を踏み入れた保護司の世界、入って間もなくの総会で頂いた「社会を明るくする運動作文コンテスト入賞作文集」。そこには研修では得られなかった保護司という仕事への疑問を解決する答えがあった。
夏休みの宿題で書いたという福岡県の中学3年生の女の子は、作文のテーマを決めるため開いた法務省のホームページで、予想以上に多くの人がイベントなどで日常的に『社会を明るくする運動』に関わっており、国も地域も犯罪者の立ち直りと再犯防止のために一生懸命なのを知って驚く。
そして「一部の人だけでなく、地域のすべての人たちがそれぞれの立場でかかわっていく必要がある」というホームページ内の言葉に感銘を受け「無関心は無責任なことだ」と気づく。心のなかにわだかまっていた「重い罪を犯した人まで手助けしなくてはならないのか」という疑問の答えを彼女はそこに見出した。
保護司をしている祖母がお気に入りの「函館監獄」と記された帆布製のバッグ。小学5年生の孫娘は「そんな言葉が書いてあるバッグを持って歩くのは恥ずかしくないのか」と祖母に聞く。

函館刑務所の帆布バッグ

と、逆に「何で好きになれないのか、自分の心の中と話をしてみたら?」と言われて「そのバッグをもっていたら、犯罪をおかした人と関係があるのではないかと疑われるかもしれないと感じたから」と答える。祖母は「こころのバリアやな。大きな問題や」と呟く。祖母が大切にしているバッグはよく見てみると、縫い目が細かく丁寧に作られている。孫娘は、「刑期が終わり、更生を誓って社会に出られる日のことを思い、ひと針ひと針心をこめて縫っていたのだろう」と想像する。同時に「自分の知らないうちに心の中に犯罪者に対する差別や偏見のバリアができていた」と気づく。
彼女は、「そのバッグを持って出かけることを恥ずかしいと感じた自分が恥ずかしくなった」と作文に記した。
小学6年生の女の子は、授業で先生から「YESかNOで答えるように」と、三つの質問を受ける。一つ目「困っている人がいたら進んで助けたい」もちろん-YES―。二つ目「昔の失敗をいつまでも悪く言うのはおかしい」 もちろん-YES-。三つ目「逮捕されたことがある人が、近所に住むのはいやだ」 え?…だけど、これも -YES-。このあと彼女は、自分の中にある矛盾に動揺しながら同級生らと共に、刑務所を出所した人に関するビデオを見る。 四つ目の質問だった。―NO- 私たちが変わらないと、こんな社会は変わらない。
小学6年生の男の子は読んだ本の中にあった「人を集団で『こういう人だ』と判断するのは危険だ」「偏見や差別は、無知から発生する」「ひとは個人として存在している」という言葉から、「これまで自分が『罪を犯した人』を集団として見ていて、怖い人だというイメージを持っていたが、実際の罪を犯した人について、何も知らないことに気づいた」と書いている。
人を集団として「こういう人だ」と判断することー人を類型化して捉えることー「カテゴライズ」あるいは「フレーミング」。私自身の中に確かに存在していた。
尊敬する地域の先輩から「保護司をしてみないか」とお誘いを受けたときに、愚かにも私が持っていたものと同じだ。


私は「『そういった人たちの扱い』は一般のひとたちよりは上手くできるかも知れない」と思った。思ったのだ。もしかしたら口にだしたかもしれない。なんたる慠岸不遜。
そう、小学6年生だった君、君のいうとおり。人は個人として存在している。
私が不遜にも思った(あるいは言った)「そういった人たち」なんていないのだ。
保護司になってすぐに頂いた「作文集」。 小学生、中学生の真剣な思いに胸打たれ、気づかされることが実に多かった。 いいタイミングで、良いものに巡り合わせていただいたと感謝している。
さて、冒頭の福岡県の女子中学生さんは、最後に
“大人にも作文の宿題があるといいのにな”
と書いていたっけ。
君がそんなこと言うから、オジさん、今、天の声さんに言われて作文書いているよー。

オススメ書籍読書の秋!貸し出し図書の紹介

図書係より新刊を紹介します。遅くなりましたが、ようやく購入できました。

【出所者支援ハンドブック】刑事司法ソーシャルワークを実践する

今後の福祉のあり方を示してくれる内容です。各種事犯者にどう対応していくかのヒントがあると思います。再犯を防ぐための支援について等保護司にとっても役立つ内容です。

【プリズン・サークル】人はひとりでは罪と向き合えない。

受刑者が互いの体験に耳を傾け、本音で語りあう。そんな更生プログラムを日本で初めて見届けた著者がおくるノンフクションです。

是非ご利用ください‼

運動と健康と検査

大麻分区 上野 聡志

ナイスショット~!いい響きです(笑)この掛け声を聞くと嬉しくなりますね。私、趣味というものがそんなにも無く大好きなビールを飲むことが趣味みたく飲み歩きの日々でした。そのおかげかもしれませんが、痛風から始まり関節リウマチ・高血圧等病気の総合商社的な身体に変貌していきました(笑)
2015年にあるお友達から「上野さんゴルフしていましたよね?俺、遅いデビューですがゴルフしようと思うのでまたゴルフ一緒にやりませんか?」と言われたのが私の第二のゴルフブームの到来となりまして、その友達の言いなりになりゴルフ用品を次から次へと買い替え散財(今でもかも?)したことを思い出します。

趣味も大してなく運動もしない自分に「これも健康の為、いい運動になるから続けよう!」と…。その友達に誘われるまま年間数ラウンドから昨年は年間70ラウンドも回るようになり、ここまで来ると運動というよりも異常かな?とも思うことも(笑)。ただ、私は先程述べたように持病で定期的に通院検査をしており、ゴルフで身体を動かしているためか進行することなく徐々にではありますが数値の改善もみられます。
そんな私にゴルフの再デビューの誘いをして頂いた友達とは天徳寺の新住職でしたが令和4年1月14日病気の治療に専念しておりましたがご逝去さました。病気が分ってから1カ月半です。彼は私の心配ばかりしておきながら、自分の心配はほとんどしていなく、体調が悪くなっても病院・検査には行かず市販薬程度で済ませていたみたいです。彼にはいくら感謝しても感謝しきれないほどに健康につながる趣味を与えて頂きました。ご冥福をお祈りしています。
皆さんは行っていると思いますが、運動と病院での検査は是非続けてほしいし受けてほしい。それが健康につながるものと私は思っています。