
会えなかった身元引受人
匿名保護司
久しぶりに観察官から連絡があり、環境調整を引き受けた。
対象者は50代の男性、覚醒剤で札幌刑務所に収監されている。身元引受人は20代前半の妻だった。
「えっ、親子ほど年が離れていて夫婦?」と思った。
書類が届いたので、すぐ身元引受人に電話連絡した。声からはまだ幼い感じがしたが、前の夫との間の幼児と現夫との間の乳児がいる。2日後にイオン3階の喫茶店で16時に会う約束をした。内心、幼児と乳児を連れてくるのは大変だろうなと思った。
約束の日、5分前から待ち合わせ場所で待っていた。10分過ぎても20分過ぎても現れず、30分経った頃、電話してみた。「子供が熱を出したので行けない」との返事、それなら一言電話くれればいいのにと思いながら「良くなったら電話ください」と言って電話を切った。

3日経ち5日経ち、1週間過ぎても連絡なし。
また、こちらから電話をして次回会う日を決めようとするが、訪問は拒否、ほかで会おうと提案するが子供連れは無理だと言う。訪問がだめなのはなぜ?、男でもいるの?と疑いたくもなった。
「ご主人のためにも会ってお話伺いたい」と言うが、相変わらず訪問はダメ、福祉センターまで来るか、または近くの公園で会うなどの方法があると提案しながら何度も説得するが、そのうち私からの電話にも出なくなる。
仕方ないので観察官に今までの経過を報告して指示を仰ぐ。
「こちらから接触しますので先生はここまでで」との事。何か胸につかえたまま、この件は私から離れた。
後に観察官から「妻が身元引受人になりました」と聞くと、私の対応のどこがまずかったのかと、自己嫌悪に陥った。
今までに何件も環境調整をしてきたが、今回のように電話だけで会えなかったのは初めてだったので、ショックだったのと、どう対応すれば良かったのか反省しきりだった。

