サポセン便り【令和6年4月 第29号】

サポセン便り

保護司の戦い(匿名)

匿名保護司

本年、保護司になってお陰様で10年目の年を迎える事ができました。この間、未熟ながらも7人の対象者を見守って参りました。

どの対象者も今かえりみると印象が強く残っております。窃盗、傷害、婦女暴行、大麻、覚醒剤。人間の欲望が抑えられなくなり、欲望が欲求に変化したとき犯罪が起きる。そんなルールみたいなものが見えてきました。犯罪に対してブレーキをかける理性は人間が育った環境と生活に比例し変化する。
そして7人の対象者全てに悲しい事実と歴史があった。取り返しのつかない歴史は覚醒剤のように再び、取り返しのつかない歴史を生む。

その様なことにならないように私達、保護司が努力する。しかし限界はある。それは保護観察として対象者を自宅に招き入れたときの雰囲気でおおよそわかる。

ひとつは「服装」。罪を犯し被害者への反省が見られるかどうか。対象者の中に何故かピンク全身の子がいた。ピンクのスエット上下、サンダルもピンクそして裸足。罪名は婦女暴行。当然の様に納得した自分がいた。1年と半年間程度の保護観察であったが、全て自分が優先で面接の時間を守らない、しかも毎回ピンクの服装、仕事は夏の期間だけで冬は何もしない、自分は性欲が強く自制が出来ないと言い、全てに固定観念が強かった。

こういう人間もいるのかと驚きを隠せずにいた。当然ながら観察所への報告については、毎回遵守事項を守っていないにレ点がついていた。もう保護観察を終えて7年が経つが未だに自宅の前を通ったり、ちゃんと生活が出来てるかを考えることがある。

ふたつめに「目」。玄関に入り、ちゃんと目を合わせるかどうか。ほぼ全ての対象者は最初目を伏せる。それは自分の犯した事について向き合っているかどうかがわかる。犯罪に対しての後ろめたさや反省、今後の不安からくるものだと思う。これが普通だと思う。

しかし中にはしっかりと目を合わせ、しかも眼光が鋭い。罪名は覚醒剤取締法違反。

面接をすると話が飛ぶ。今朝の出来事を話していると突然、刑務所で会った人の話になる。自分の話で突然笑い、そして突然泣き始める。覚醒剤の恐ろしさを目の当たりにした瞬間であった。人格が変化し、喜怒哀楽が激しいと面接をするよりも病院へ行った方が良いように思えた。

今後どれだけの対象者と出会うだろうか。そしてどれだけのことが出来るだろうか。私達保護司は対象者をどれだけ更生の道に引きずり込む事が出来るのだろうか。限界はある。

保護司の仕事は対象者に寄り添い、状況を観察所に報告すること。解っている。理解しているがどうしても気になる。

彼らは一生引きずっていかなければならない歴史を作った。今後どのような社会生活が待っているのか。幸せな毎日を暮らして行くことが出来るのだろうか。余計なお世話と解りながら不安は募り、自然と面接時の口調が強くなることがある。

絶対に黒い歴史を重ねてはいけない!絶対に!

そして命の尊さは平等と言うことを私達は決して忘れてはいけない……。

※すばらしき世界という映画を見た直後に記事を書いたため、少し感情移入が強くなっている可能性があります。是非、皆様もこの映画を見て戴くと理解できると思います。

映画『すばらしき世界』

この世界は生きづらく、あたたかい。

実在した男もモデルに
「社会」と「人間」の今をえぐる問題作。

映画『すばらしき世界』大ヒット上映中
名優:役所広司×監督:西川美和 映画『すばらしき世界』大ヒット上映中!実在した男をモデルに「社会」と「人間」をえぐる問題作

南方見聞録 外からの日本国……そして今(江畑)

江別分区 江畑 稔

昭和60年私は、タイ国にいました。

農業プラント建設の為、1年間の滞在です。

バンコックに着任数日後には、通訳のプーミポン大学のOB、それと運転手と私3人で各現場を巡り、機械据付け指導をするのです。

ジャイカの円借款事業、作業をやるのは日本企業「明電舎」の海外駐在員が現地で独立、起業した会社のタイ人作業員。給料貰ってる社長が来ると、抜群に動きがキビキビとするが、こちらの指摘には「ノラリクラリ」と、今一つ動きが鈍い。

ある時バンコック「インパラホテル」で、新聞を読んでいると、「オールドジャパニーズ・ソルジャー」と出ている。はるばる北の山岳地帯から40年ぶりに山を下りて来て、「死ぬ前に一度祖国を見たい……」と、日本大使館へ帰国申請をする人達がいるとの記事。

「受け付けられず、追い帰されている」との記事だった。だが私にはすぐ分かった。この人達は、あの地獄の「インパール」から奇跡的に生還出来た旧日本軍兵士だ。

故郷に「名誉の戦死」と墓に刻まれ、「英雄でありながら棄民」、今生きて帰られてはならない、インパール作戦の地獄の生き証人。インパール高原からの敗走は、後世「白骨街道」と叫ばれる程の餓死者、病死者、自殺者、「人が人を食らう」という地獄だった。戦場で兵士達が次々と息絶えている頃、南部方面軍上層部は「ラングーンの遊郭で、芸者を揚げての宴会三昧に明け暮れていた……」と、大本営からの連絡将校が証言している。

インパール作戦には9万人が動員され、3万人が死亡、傷病者を含めると背筋が凍る。

英国軍と蜂起したビルマ国軍が、連合で首都ラングーンに迫った陥落寸前、これら上層部は飛行機でタイ国へ敵前逃亡。戦後連合軍取り調べに、「全滅すると分かっていた」との体たらく。その時この将校に働いた衝動とは何か、「自分は特別な存在なんだ」という妄想か……。

この「特別」は、時を超えて現在も「逮捕されない上級国民」として生き残っている。ビルマでの戦死、戦病死は民間人を含め二十万を超えており、「降伏」の二文字を封じられた軍隊は民間人をも巻き込み、敗走のイラワジ川は待ち構えた機銃掃射で、女性や子供達の叫びと怨念と夥しい血で染まり、皆ベンガル湾へと流されてしまった。

同じ惨劇が満州でも……現地召集された大黒柱は、既に関東軍主力は「もぬけの殻」で、今日明日にでもソ満国境の川を渡河して、ソ連軍100万が雪崩打って来る現実に、国境の開拓部落に残して来てしまった妻や子を思い血の涙を流したに違いない。 

東条英機が刑死した翌日、戦後最悪のA級戦犯達が、巣鴨プリズンから出て来る……。

  1. 満州では妖怪と呼ばれ、戦後首相に居座り続けた男。
  2. 満州での阿片売買で蓄財、戦後広告代理店を一手に、隠然たる圧力で現在もマスコミを「マスゴミ」にし続けている男。
  3. 特高警察から大手新聞社社主となった男
  4. 公営ギャンブルを個人認可され平和財団と称し「表、裏二つの顔」を使い分けた男
  5. 軍需物資を横流し、それを資金に戦後「右翼の大物」に化けた男。

A級戦犯「十三階段に一番近い人間」の、命の交換条件で戦後は始まり、「祖国繁栄を託した若き特攻の命」を、沖縄の海に沈めたまゝ今の日本は演出されている。

あの日ビルマ、満州で、部下や民間人を機関銃の前に置き去りにしたまゝ逃亡した亡霊が、戦後80年経っても自身は「裏金、利権、中抜き三昧で……国有地安売、公文書改ざん、統一教会、脱税」でも訴追されず「三権分立を掠め取り、主権在民無き贋民主主義」を押し付けて、「この道は、いつか来た道……」を、まさぐっている。

南の果ての十字星、野に山に「屍」晒して大東亜共栄圏の奥深く、進軍したまゝの皇軍兵士達は未だ、帰らず……。

遥か地平線に土埃が上がり、軍隊に守られて大臣様一行がやって来る。「選挙に合わせプラント動かせ」と大臣秘書官殿。2千人の選挙民が民族衣装で待ちぼうけ。自動小銃の武装兵士が工事現場に散らばる。籾を詰まらせセレモニ―を台無しにしてしまったら、無事祖国へ帰れるだろか……?

事務局からの独り言(お願い)(洞野)

事務局長 洞野 博文

何も知らず、分からず、ただ長い在籍の元、いつの間にか理事になり、部長を拝命し、副会長を務めさせて頂き、尚且つ事務局長迄を務めさせて頂いている私が、その職を務めさせて頂いて居られるのは、アクティブ会員の協力無くしては在り得ない事です。

ご協力頂いている、理事の方々や、企画調整会員の皆様方、誠に心から有難うございます。お礼を申し上げます。そんな中、ふと想う事があります。同じ会員であるにも関わらず、拝命を受けて十年程経過されている、あなた方に特にお願いしたい事!

研修・分区研修。保護司の参加義務事業(8条の2項)、親睦事業等に仕事を言い訳にして参加されていない方へ、せめて年間の4日位、都合をつける努力をして下さい。

第三期定例研修の様子
第三期定例研修

私は特に、好きで事務局を受けてはいません!

私も同じボランティアで仕事も持っています。私の業種だから出来ているのかもしれませんが、人が休んで居る時、こつそり自分の仕事をしてつじつまを合わせています。貴方達と同じだと思いますよ!
こう言っている私も、20年位前の頃は、保護司は受けたけど、保護司会には入った覚えは無いとも考えていました。

「おじさん達の集団に何で俺が顔を出さなくてはなら無いの? 研修? 何言っているかも分から無いのに! 対象者持った時は主任官に聞くから、そんな時間もったいないよ!」と思っていた頃もありました。

恥ずかしい次第でありますが、そんな世間知らずの私でしたが、会の役職を受けざるを得なくなり、歳を重ねる毎に、自分の時間にやり繰りを付けて、会の存続に携わっている方がいる事、身を以て知りました。

だから、皆様もそんな会員が居る事、対象者ばかりで無く思いやって下さい。

令和3年度 社明講演会の様子
令和3年度 社明講演会

入会当初「対象者だけ、見てくれればいいから」と言われたかも知れませんが、せめて1年の4日位、会の為に奉公して頂きたく、事務局としての一方的な(わがまま?)お願いを聞いて頂きたく、この場をお借りして掲載させて頂きました。

お知らせ(今野)

リカバリ資料

保護司のみなさんに役立つ下記の刊行物が図書コーナーに展示してありますので、是非ご利用ください。
1. 生きづらさの中で生きている方々をサポートしている特定非営利活動法人リカバリーからの「それいゆニュースレター」
2. 麻薬(覚せい剤)、アルコール、ギャンブルなどによる依存症のリハビリステーションからの「札幌マック便り」
今回、大麻分区はリカバリーに寄付しました。(今野)